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「音楽の友」 2004年2月号  (百瀬 喬)


2003年12月13日
 トッパンホールで行われた 「園田高弘が推薦する"旬のピアニスト" シリーズNo.6」
 平井千絵フォルテピアノリサイタルの演奏会評です。
なお、執筆者の敬称などは省略させていただきました、ご了承下さい。



 桐朋学園大学ピアノ科を卒業後、オランダのハーグ王立音楽院古楽器科に学び、2001年のブルージュ国際古楽コンクール・フォルテピアノ部門第3位に入賞した平井千絵が 園田高弘推薦の <旬のピアニスト・シリーズ> に登場し、ハイドンのソナタ第62番変ホ長調、モーツァルトのアダージョ・ロ短調 K540、ベートーヴェンのソナタ 《テンペスト》 、「6つの変奏曲」 作品34、フンメルの練習曲3曲と、バガテル作品107より 「ハンガリー風ロンド」 を弾いた。

 現代のグランドピアノに慣らされた耳には、音量も小さく、また音色的にも異なるフォルテピアノの響は、最初やや頼りなく思えないでもなかったが、聴き進むにつれてその表情の細やかさ、ニュアンスの豊かさの虜となる。

 とりわけハイドンが魅力的。 機敏さと闊達さ、ユーモア精神と即興性、平井の演奏はそうしたさまざまなハイドンの要素を浮き彫りにした。

 ベートーヴェンも、第1楽章のレチタティーヴォや、また曲のあちこちにあらわれるアクセントなどが、モダン・ピアノとはまた別の表情を生み出して興味深い。

 フンメルもよく弾いてはいたが、これは作品がやや魅力に欠ける。歴史の谷間に置き去りにされたのも仕方ないことかも知れない。

                             2003年12月13日 トッパンホール にて  百瀬 喬