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Baarn での芸術と文化基盤の広がりの中、古楽愛好家達が待ち望んでいた4つのコンサートからなる古楽シリーズが、1年ぶりに Baarn のパース教会で行われることになり、フォルテピアノの平井千絵で華々しくスタートを切った。
オランダからやってきたこの小さな日本人女性は、母国での勉強を経て、ハーグ王立音楽院でStanley Hoogland のもとでフォルテピアノを学んだ。2002年優秀な成績で卒業し、同時にその年の
conservatoroire を卒業する学生の中で最も優れた学生に与えられる Nicolai-award を授与された。
パース教会で演奏されたプログラムは、選り抜きの素晴らしいものであった。と言うのも、あの過酷な難曲ベートーヴェンの Diabelli-variations
がプログラムの中に含まれていたからである。
作曲家で出版業者であった Diabelli は1819年オーストリアにいた50人の作曲家達に、ディアベリ自作の簡単なワルツの主題による変奏曲を作曲するように依頼したのだが、ベートーヴェンもその依頼された中の一人で、33のバリエーションを書きあげたわけである。
平井千絵は、Conrad Graf がウィーンで 1825年に製作したオリジナルのフォルテピアノを使って演奏した。まさにこの曲(ディアベッリヴァリエーション)のために選ばれた美しい楽器、彼女の磨き抜かれたテクニックは、この楽器の持つ可能な限りのサウンドを引き出すことを可能にした。
特にヴァリエーション 4(Grave e maestoso)と 24(Fughetta)は特筆に値するものだったといえよう。彼女の演奏は叙情的であり、あるときは極めてクリアで感動的なピアニッシモが、バランスの取れたクレッシェンドを伴って強烈な嵐の中に突入する。 フォルテピアノという楽器の持つ音量の限界があるにも関わらず、その効果は絶大であった。
しかしながら、私が最も心を惹かれたのはヴァリエーション 30(Andante)や 31(Largo)のような静謐な部分においてであったと言わなければならないだろう。
この日の演奏が素晴らしかったことは、聴衆が 1時間にも及ぶこの大曲の最後の瞬間まで引き付けられたいう事実からも、みることができるだろう。
この夜のベートーヴェンの代表作の前では、シューベルトとフンメルは陰に隠れてしまったが、仕方がないことだった。
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